AIを利用した次世代型最適設計システム OASIS AI
OASIS AI事例
St. Paul’s Hospital - 救急部プロセスの最適化
使用ソフト | Rockwell Automation社:Arena |
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< 課題 >
St. Paul 病院の救急部門では、患者数の増加や外来患者の高齢化、時間帯による患者の一部集中などにより、以前よりも複雑で長い治療時間が必要とされています。その結果、患者は長い時間待たされることになり、様々な問題が発生します。病院の救急部門は、患者の待ち時間が長くなる要因を特定し、対策することで、患者の待ち時間を短縮し、救急患者への処置の効率を上げる解決策を探してきました。しかし、救急患者の治療プロセスには、スタッフの人数やシフトの組み方、ベッド数などのリソースの追加や患者の待ち時間と稼働時間のトレードオフなど、考慮すべき要因が多く、病院関係者だけでは効果的な解決策を見出すことができませんでした。
▲ 直面する問題 |
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問題 ・ 患者の生命の安全性 ・ 救急部門運営コストの増加 ・ 病院スタッフの負荷の増加や満足度の低下 ・ 患者の満足度の低下 ・ 病院の評判の低下 |
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< 解決策 >
問題の要因分析を行い、救急部門が抱える課題を解決するために、過去の患者の履歴データをもとに Arena を用いて院内のプロセスをモデル化し、OASIS AI と連携して最適化を行いました。待ち時間の短縮に寄与するパラメータを特定し、病院スタッフの負荷や労働時間を増加させることなく患者の待ち時間を短縮することが可能な治療プロセスの最適化を行いました。
▲ 患者の院内経路フロー |
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最適化の目標 ・ 診療プロセスの加速と効率のトレードオフ ・ 待ち時間とリソース消費のトレードオフ |
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待ち時間発生の因子 ・ 救急患者の待ち時間 ・ 混雑状況と割当可能なリソース ・ 稼働していないユニット ・ユニットに割当可能な最適なリソース数 ・ 救急部門での滞在時間 |
▲ 最適化フロー |
< 結果 >
最適化の結果、救急部門の診療プロセスの効率を向上させる複数の解決策を得ることができました。
・ 即時診断ゾーンを設置することで、待ち時間を平均100分短縮
・ 深夜~7:00amまで医師を追加すると待ち時間が平均15分短縮
・ ベッドまたは看護師を複数のユニットに追加する必要があり、即時診断ゾーンに追加すると待ち時間を平均5分短縮
・ 診断治療ユニットのリソースを50%削減しても待ち時間は大幅に増加しない