高速・高安定型マトリクスソルバライブラリ Super Matrix Solver

      AMG法をベースにした高速・高安定型ソルバ
      Super Matrix Solver SMS-AMG

ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー2003受賞



SMS-AMGの特長

■最高速の反復法として知られているAMG(Algebraic Multigrid)法を当社SMS技術で更に高速・安定化しました。
■従来の反復法では計算が困難な問題でも解を得ることができます。
■大規模な問題を高速に計算することができます。
■係数行列が対称の場合、行列の半分のみで計算可能です。
■係数行列が同じ問題を繰り返し計算する場合、2回目以降の計算ではAMGの前処理を省略可能です。
■ライブラリ形式(DLLなど)で提供するので、内製ソルバへ容易に組み込めます。

AMG法とは

■AMG(Algebraic Multi-Grid=代数的マルチグリッド)法とは係数行列の情報から仮想格子を作成し、数値情報から仮想格子点の間引きを行い、多重格子系を作成することで計算を加速する手法。
1980年~90年に考案された極めて高速な計算手法であるが、次の問題がありました。
・ プログラムが複雑である
・ パラメータが多く、利用するのが難しい
・ 動作が不安定である
ヴァイナスはAMG法を改良するとともに、独自のSuper Matrix Solver技術を適用することでより、このAMG法を高速・高安定化しました。
それが、Super Matrix Solver-AMGです。

SMS-AMGの概略仕様

項目 内容 備考
対象とする解析分野 流体解析・電磁解析、構造解析など 構造解析ではSolid要素を用いた解析に対応しています
対象とする係数行列 有限要素法、有限体積法、差分法などの離散化手順により作成される疎行列  
対角に0要素のある問題 計算不可 対角要素の優対角性が必要
問題規模の制限 なし 利用可能なメモリ量による
要素のデータ型 実数(倍精度) 複素数は対象外
問題の対称性 非対称問題も計算可能  
一節点に複数物理量が 存在する問題 計算可能 構造解析におけるShell要素、電磁場解析における辺要素などの計算は不可
入力データ 係数行列、右辺定ベクトル、収束判定条件、最大反復回数、その他 係数行列が対称の場合、上三角のみで計算可能
出力データ 解ベクトル、達成相対残差、実反復回数、その他  
エラーメッセージ 戻り値としてワーニング、エラーメッセージを返す。 (計算情報、システム情報など)  
提供方式 DLL形式(WINDOWS)、 スタティックライブラリー形式(Linux) ソースコードは開示しません
付属資料 説明書(データフォーマット/パラメータ/組込手順などの説明資料)、サンプルデータ,Super Matrix Solver-AMG組込用サンプルプログラム (C,FORTRAN)  

SMS-AMGの性能例




適用事例

■アプリケーションへの組込性能比較

■コンクリートの破壊解析
>> 北海道大学様
■原子炉炉心燃料棒流体振動挙動関連解析
>> 埼玉工業大学様
■樹脂流動解析
>> (株)プラメディア様
■電磁場解析
>> (有)ミューテック様
■超伝導体を対象とした非線形数値電磁界解析
>> 横浜国立大学様

(注)本資料は性能を保証するものではありません。また仕様は無断で変更される場合があります。

詳細資料

カタログ/資料ダウンロードページに下記の資料がございますので、ダウンロードしてご利用ください。
■SMS-AMG製品情報
■Super Matrix Solverを組み込む前に
■Super Matrix Solver FAQ
■Super Matrix Solverベンチマーク用データフォーマット

また、お問い合わせ時には、下記ヒアリングシートをご利用頂ければ幸いです。
Super Matrix Solverヒアリングシート(WORDファイル/198KB)

(注)本資料は性能を保証するものではありません。また仕様は無断で変更される場合があります。

稼働環境

  Windows Linux
32ビット 64ビット 32ビット 64ビット
Version 3 × ×

 ○:対応済み、×:非対応、-:未対応

SMS-AMG関連論文

1.田村敦宏,菊地一雄,高橋匡康
 だ円形境界値問題の数値解法―残差切除法について(ポアソン方程式への適用),
 日本機械学会論文集(B編)62巻604号(1996-12) 4076-4083)

2.Atsuhiro Tamura, Kazuo Kikuchi, Tadayasu Takahashi
 Residual Cutting Method for Elliptic Boundary Value Problems:Application to Poisson's Equation,
 Journal of Computational Physics, Vol. 137, No.2, November 1997, 247-264.

3.Yuichi MATSUO, Takeshi IWASHITA, Koji TANIGUCHI, Akihiro IDA
 Developing a Parallelized Matrix Solver of the Residual Cutting Method by using AMG as an Inner Solver,
 Transactions of Japan Society for Computational Engineering and Science,No.20090018(2009)

4.Takeshi Iwashita, Masaaki Shimasaki
 Algebraic Multi-Color Ordering for Parallelized ICCG Solver in Finite Element Analyses,
 IEEE Transaction on Magnetics,Vol. 38-2, 2002, 429-432.