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OpenFOAM®は、英国OpenCFD社が英国インペリアル・カレッジのリサーチコードを元に開発した、GPLライセンスのもとで稼動するオープンソースのCFD(流体解析)ツールボックスで、完全にフリー(無料)なオープンソースとして配布されています。
有限体積法に基づき、連続体力学に対する偏微分方程式を解くシミュレーションツールとして、流体解析のみならず応力解析、電磁界解析、音響解析まで対応可能ですが、特に流体解析分野で実績を上げています。ソルバーとしてはSIMPLE法とPISO法を採用しており、圧縮性・非圧縮性、乱流・層流、燃焼、多相流など多くの計算機能を備えています。
領域分割に基づいて並列計算を行いますが、ソフト全体の下層コードに組み込まれているため、並列仕様のコーディングを特に行わなくても簡単に並列計算を行うことができます。
OpenFOAM®の主な特長は以下の通りです。
・ 市販のハイエンドな解析ソフトウエアと比較しても遜色のない機能を有しています。
・ フリーで配布されているためライセンスの導入コストがゼロです。
・ ソースからデータ構造まで完全にオープンなので、全面的にカスタマイズが可能です。
・ オブジェクト指向言語C++を採用しておりプログラムの直観性およびメンテナンス性に優れ、業務に適合させて専用ソフトを開発することができます。
こうしたことから、近年、OpenFOAM®は特にCFD業界で非常に注目を集めており、民間企業における本格導入が進んでいます。
しかし、設計実務における導入・立ち上げ・運用において、次の問題が存在しています。
・ ライブラリ形式による提供のため、実際に使用する上では「組み立て」に加えて「一部コーディング」という作業が必要になります。
・ 従って、使いこなす上では流体解析の知見とある程度の開発経験が必須です。
・ 市販ソフトのようなGUIがなく、またドキュメントが少ないという問題があります。
従って「どのように活用していくか」については十分な調査と検討を行う必要があります。