【新企画】ターボ機械・海洋CFDソリューションフォーラム 2009

ご好評のうちに本会は終了いたしました。
ご参加頂きましたお客様ならびにご協力頂きました皆様には深く御礼申し上げます。

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ご質問への回答集(Q&A)

Non Linear Harmonic非定常解析と乱流遷移モデルを用いた多段軸流圧縮機CFD開発の取り組みとその性能検証

1.発表されたケースのレイノルズ数はどの程度ですか?
1.“0.5E+5”程度です。
2.ケース1の4.5段軸流圧縮機で表示されている効率グラフの流量は異なるのでしょうか?
2.いいえ、表示されている効率グラフの流量はすべて同一流量になります。キャビティを考慮したもの、していないものなどの比較です。
3.今回発表されたFINE/Turboの非定常解析手法Non Linear HarmonicをRolls-Royce社では実設計に適用されていますか?
3.はい、既にRolls-Royce社では実設計にFINE/Turboの非定常解析手法Non Linear Harmonicを用いて解析を行っております。また、今回1ケースですが、実エンジンにおけるNon Linear Harmonic解析検証結果を発表しました。

欧米におけるターボ機械CFD設計開発の最新技術と課題

4.Non Linear Harmonicの3 Harmonicsとは具体的には何のことでしょうか?
4.FINE/TurboのNon Linear Harmonicの入力設定で非定常解析精度を加減することができます。入力数値が大きくなると非定常解析精度は向上しますが、計算時間は増大します。また、ある程度以上の入力数値になると解析精度が落ち着くことにより解析精度はあまり変わらず、計算時間だけが増大することになります。NUMECA社ではFINE/TurboのNon Linear Harmonic手法を用いる場合はこの数値を上限3と推奨しております。
5.FINE/Design3Dで用いられている最適化手法は何でしょうか?
5.FINE/Design3Dでの最適化手法は遺伝子アルゴリズムの利用が可能です。それ以外には勾配法の利用も可能です。
6.米国のConcepts NREC社とのコラボレーションについて触れられていましたが、具体的にどのようなことができるのでしょうか?
6.現在Concepts NREC社ではFINE/Turboを実設計のCFDツールとしても利用いただいております。また、Concepts社製品の形状モデラAxCentではFINE/Turbo形式でのジオメトリデータが出力できるようになっておいます。 今後は更に両社の利点を向上させる機能や共同プロジェクトなどを検討しております。

産業界におけるCFDの傾向と特徴、そして将来への取組

7.CFD解析精度におけるメッシュ品質の重要性は非常に大きなものですが、メッシュ品質判断の指標などがあればご教授ください。
7.ターボ機械問わずCFD解析精度にメッシュ品質はとても重要です。指標の一つとしてはやはりセル内角をいかに大きな値を取れるかだと思います。メッシュ生成のあまり経験のない人がいくら良いメッシュ生成ツールでメッシュを生成しても良い品質のメッシュを生成することは難しいでしょう。FINE/Turboに標準搭載されているターボ機械専用メッシュツールAutoGrid5はテンプレートファイルを用いることにより、メッシュ生成未経験者でも高品質メッシュを作成することが可能です。

船体周りの自由表面・海洋構造物波浪解析への非構造ヘキサメッシュ適用の可能性

8.午前の発表にあったHEXPRESS-Hybridではメッシュ生成の並列処理化が可能ですが、今回発表いただいたHEXPRESSでは並列処理化は可能になるのでしょうか?
8.現状は未対応ですが、NUMECA社では大規模計算に対応できる取り組みを行っており、現在HEXPRESSの並列処理化の検討を行っている最中です。

海上船舶における近年の数値流体解析技術、そしてその展望

9.FINE/MarineのソルバISIS-CFDで用いられている時間精度はどのくらいでしょうか?
9.現時点でのISIS-CFDの時間精度は陰解法で2次精度までですが、今後の精度向上としてそれ以上の時間精度も検討しております。
10.ISIS-CFDの入力パラメータであるMass Fractionは0か1だけの入力でしょうか?
10.ISIS-CFDのMass Fractoionは0と1だけでなく、その間の入力(例えば0.1や0.5など)も可能です。これにより空気と水の混合部分の解析も可能になります。また、Adaptive Meshを用いることにより水面の解析精度を上げることも可能です。
11.今回ご発表内容には表面張力は考慮されているのでしょうか?また空気の流れも同時に解析されていますか?
11.はい、今回の事例で用いたFINE/Marineで使われているISIS-CFDソルバでは表面張力を考慮して計算していません。ただし、ソルバ自体には組み込まれていますが現状は十分に検証できていないため正式にはサポートしていません。

船舶流体力学におけるCFDアプリケーション

12.船体設計を行う場合は船の形はどのように定義して行うのでしょうか?
12.以前は2次元断面を設計し、それをつなぎ合わせるような方法で設計を行っていましたが、現在では船体全体を3次元のNURBSでコントロールポイントを直接制御し自由曲面で設計条件を満たすように設計しております。
13.CFD解析結果から船体形状を最適化するための評価ポイントを教えてください。
13.非常に難しい質問ですが、これは船体設計のみならず、すべてのものづくりに言えること思いますが、最適化を行う場合は最適化をする目的を明確にすることと、過去の積み重ねが重要になります。つまり過去のノウハウを生かして最適化の判断をしております。
14.ご発表では船体設計は設計仕様が毎回異なるため全て最初から設計されるとのことでしたが、類似設計などを行ったりすることはないのでしょうか?
14.船体設計においても、全て1から設計するのではなく、同様な仕様条件下の過去の設計を転用して設計することがあります。
15.360度旋回するアジマスラスタではキャビテーションによる影響が大きいため、性能を向上させる際に無視できない現象です。キャビテーションの予測は難しいのでしょうか?CFDでは予測できるのでしょうか?またキャビテーションを考慮されたCFD解析は行われていますか?
15.キャビテーションモデルは現在のところソルバに組み込んでいません。また、一般汎用CFDコードでも限界があると考えています。キャビテーション現象を正確に捉えるためにはスクリューを回転させる必要があり、計算が大変になることが予想されます。ただし、将来的には必要になるでしょう。

流体構造・燃焼・キャビテーションなど連成問題の解明によるシミュレーション技術の最適化

16.ずばりHEXPRESS-Hybridの特徴は何でしょうか?
16.6面体以外に4面体などの複数のメッシュ要素を含めることにより、例えば自動車エンジンルーム内全体など非常に複雑かつ大規模に対応しうるメッシュ生成がしかも完全自動で行えます。
17.原子力発電でのタービン設計について、NUMECA Internationalではどのように取り組まれていますか?
17.原子炉解析では、連成問題、多相流など複雑な問題になります。現在、新しい物理モデル開発を研究機関と共同で始めようとしています。
18.熱伝導モデルでの解析精度は流体解析時に使用する乱流モデルの影響はあるのでしょうか?
18.圧縮性の影響は確かに乱流モデルに影響されますが、その影響の度合に関してはまだ検証段階で、現時点でははっきりとした関係はわかっておりません。

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