ご質問への回答集(Q&A)

ドイツMAN Diesel & Turbo社 Mr. Peter Böhm

設計のどのタイミングで最適化技術を適用していますか?
設計の初期段階、すなわち基本構想が固まる前の段階で最適化を適用しています。設計目標を満足するために最も重要な要件は何かを考察し、より早い段階で最適化を行うことが必要不可欠であると考えています。
(MAN Diesel & Turbo社のクランクケース事例について)
強度・振動を検討する際に、どのような事を考慮する必要がありますか?
(質問の対象がクランクケースではなく、クランクシャフトであることを確認した上で回答)
クランクシャフトの最適化では、質量・剛性分布を考えて共振を避けることが重要です。また、様々な荷重ケースに対応する必要があるので、複数のケースに応じた制約条件を適切に設定する必要があります。

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BMW社 Mr. Matthias Metschkoll

いつから最適化を導入していますか?
私の所属しているシャシー設計部門は2~3年前に導入しました。疲労耐久性の解析には約10年ほど前から取り組んでいましたが、疲労を考慮した構造最適設計によって、従来の方法では不可能だった効果を得られることが検証できたので導入を決定しました。エンジン設計部門における導入はシャシー部門より早く、8年以上前から最適化を導入しています。
その他にも、ホワイトボデーへでの実績もあります。また、詳しくは述べられませんが、ホワイトボディーにおける適用も行っています。
軽量化する際に何を考慮して、静剛性、動剛性、安全性、騒音等を最適化しているのですか?
最適化を行う際には、可能な限り多くの設計条件を考慮しており、今回のリアホイールキャリアの例では、強度、疲労、塑性、剛性を考慮しています。、現時点では、シャシー及びエンジンの最適化においては、騒音振動は考慮していません。
成形性やコストなどの制約がある中で、最適化成功の秘訣は何ですか?
最適化システムを導入し現場で展開していく上て、設計部門だけでなく製造部門も含めたチームを編成すること、 そしてコストベネフィットを事前に十分検討することが、最適化成功の秘訣でと考えています。
また、最適化を行う段階で、対象形状の成形性などの詳細な製造条件を考慮するなど、製造部門との連携を取るりながら検討を進めることも非常に重要です。

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BMW社 Mr. Matthias Metschkoll
MAN Diesel & Turbo社 Mr. Peter Böhm

BMW社は一般ユーザー、MAN Diesel & Turbo社はフリートユーザーが主な顧客であると思いますが、両者の最適化について、どのような違いがありますか?
(BMW社、MAN Diesel & Turbo社が両社の特徴を述べることで回答)
BMW社 : 自動車において、もっとも重要な課題は燃費の低減です。シャシーパーツについては、耐久性や剛性が非常に重要ですであり、これらの目標を達成するために最適化を行っています。
MAN Diesel & Turbo社 : ディーゼルエンジンは、毎日連続して30年もの期間稼動しており、1万時間毎に定期点検が行われます。従って耐久性が重要であり、最適設計を行う際に運用時の維持を考慮することが大切です。
最適化結果が"最適"である、"最軽量”であるということを、社内でどのように説明していますか?
私の上司はなかなか理解してくれないのですが、納得させるにはどのような説明が有効なのでしょうか?
(BMW社、MAN Diesel & Turbo社が相互に補完しながら回答)
最適化は「今より改善されてたより良い結果を得る」ものという了解のもとで進めています。つまり、最善・最良のものではなく、よりよいものを追求し設計のスピードを加速させています。
特に、軽量化は重要な課題であり、常にコスト削減に結び付けて最適化を実行しています。軽量化のためには最適化技術は必須であり、最適化は直接コスト削減効果をもたらす、という説明をしています。
ノンパラメトリック最適化とパラメトリック最適化はどのように使い分けていますか?
(BMW社、MAN Diesel & Turbo社が相互に補完しながら回答)
課題に応じてパラメトリック・ノンパラメトリックを使い分けています。パラメトリックは既に基本構造が決定している場合に適用しています。ノンパラメトリックは、その基本構造を決定するために適用しています。
構想設計での利用が最も効果的であると考えます。詳細設計でも形状最適化は不具合対策・改善にも有用です。 また、ノンパラメトリックとパラメトリックを連携して検討を行う場合もあります。

お問合せ先 株式会社ヴァイナス 技術三部

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